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良い土とは

農学者や生産者は良い土、悪い土という言葉を使うことがある。

良い土にするために、、 とか  ここの土は悪い土だから、、、とか

土に良いとか悪いとかがあるのでしょうか。

人間に置き換えると。 良い人とは。。。?になるわけで、、

その本人以外の人にとって『良い』ということで、おそらく神のような汚点のない存在ではない。。

その本人に短所はあるけど、それ以外の人にとってその人の特徴が『良い』ということになります。

土も人と同じで、それぞれ長所と短所をもっている。

排水が悪いところが短所、養分が多いところが長所、、という感じ。

しかし、この長所と短所は

 誰が使うか(どんな植物を植えるか)によって180°変わります。

排水が悪いところでは、にんじんの発芽がよく。

養分が多いところでは、レタスに虫がつきやすい。

つまり、

土の個性とあった野菜を選べば、短所は長所になります。全ての土は使いやすい良い土になり。

土の個性と違った野菜を選べば、長所は短所になります。全ての土は使いづらい悪い土になる。

良いも悪いも使う側次第ということになります。個性にあったものを選べるかどうか。

因みに、ここで言う『土の個性]とは、私が勝手に定義したものです。

最もその土の特徴を支配する要因で、それ以外の性質を規定するものであり、簡単には変えられない性質。

それは

①土壌の物理性  (水や空気の動きを規定する)   

②水とミネラルの動き (流入、流出、動態が定着する動・植物を規定)・・・・露地栽培のみ

です。

この2点は、とてつもなく決定的な要因で、高額な土壌分析からわかることはあくまで補助的な要素。しかもこの2大要因はただ土を掘ってみれば大体わかる。

日本のように地形が複雑で、火山灰の降灰が重なったところでは、数メートルのスケールで劇的な変化が起こることがあり、

土壌の物理性を測定する高額な機器もありますが、3年くらい農業をやっている方なら機器を買う必要はなく、掘ればわかる。データもないのにと思われる方もいるかもしれないが、自分の畑について把握する場合であれば、データという絶対値(正確なモノサシ)を知る必要性はなく、相対値(自分のモノサシ)で十分なのです。

具体的には、その作物がよく育つところとそうでないところの土を0.6~1m掘れば完了。この比較は、自分の畑と近くの他の人の畑でやるとさらに把握する情報の精度があがる。5点くらいやれば確実に違いが分かるようになる。

正確なモノサシはサンプル数を集めて全国レベルの比較をする場合には有用であっても、自分の目的にあわないモノサシにお金を払う必要はないとわかれば、土壌分析が絶対必要という理屈から卒業できる。

土の個性以外の性質は、上記2点に規定されるため、無理やり土壌改良のために肥料や

微生物資材を投入したところで、時間と共にあるべき状態に戻り、結果は徒労に終わるだけ。

科学的には励起状態から平衡状態にもどったとも言い、物理の世界では常識的な振る舞い。

わかりやすく言うと顔の骨格がしっかりした女性が、どんなに小顔メイクを施しても限界があるようなもので、それより、その人のしっかりした顔立ちを活かしたやり方があるという事。個性をお大事に。

農法や化学分析の結果はあくまでメイクの方法。合う、合わないがあることなので一概に良いとも悪いとも言えないもの。

(ただ、それらは信じすぎると人の思考に偏りを生じやすいところがあるようなので注意が必要です)

そういったものに振り回される前に、自分で土を掘って土の個性を知ることが良い土への第一歩

土掘りの詳細については今後またアップしていきます。

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